介護の仕事は、人と接することが業務の中心にあります。
そのため、日常業務の中で高いコミュニケーション能力が必要になってきます。
もちろん、高齢者の暮らしをサポートするプロフェッショナルとして、介助の技術が求められる場面もあります。
ただ、それだけでは思いやりの介護は成立しません。
介助をする際には、高齢者に対して細かく声掛けをして、きちんと意思疎通を図る気遣いが求められます。
介護士というのは介護のプロフェッショナルであると同時に、利用者を尊重する立場であることを忘れてはいけません。
特に、入居型の介護施設では、高齢者がそこで生活をしています。
利用者の生活を快適なものにするためには、一人ひとりと対話をする必要があります。
利用者が気軽に意見を言える雰囲気を作れば、利用者が不満や要望を伝えてくれるようになります。
そうなれば改善点が見えやすくなるため、より良い施設を作っていくことができるでしょう。
きめ細やかなサービスを実現していくためには、介護士が利用者の日常の様子を注視し、普段のやりとりで要望を汲み取ろうとする姿勢を持つことが欠かせません。
ただ、一例として、利用者の要望を先読みしすぎて、当事者ができることまで介助をしてしまうケースがあります。
利用者のできる力を奪うのは、当事者の可能性を潰してしまうだけでなく、尊厳を傷つけることにも繋がります。
そうならないよう、適度な距離を保つようにしましょう。
コミュニケーションの真髄は、相手の気持ちを想像することにあります。
自分が高齢者の立場だったら、どんな気持ちになるのか、どうして欲しいと思うかをイメージしながら、相手と関わっていくことが重要です。